目次
ワキガの原因を知っておこう
嫌なにおいは雑菌が作り出しているから
ワキの汗がにおいの原因と思っていませんか?本来、汗にはにおいがありません。ワキにはエクリン腺とアポクリン線の2種類があります。エクリン腺から出てくる汗は、サラサラとしていて上昇した体温を下げる働きをします。
においの原因となるのがアポクリン線から出てくる汗です。アポクリン線から出てくる汗はベタベタとしていて脂質・タンパク質・糖質・アンモニアなど栄養豊富なため細菌が繁殖。結果、ワキガになってしまうのです。
ワキの下にあるアポクリン腺が多いから
なぜ、ワキの下にあるアポクリン線が多いのか。それは、この汗から出されるにおいがフェロモンだからです。
フェロモンを出すために、アポクリン線は誰にでも存在します。ですが、汗腺の数や大きさには個人差があります。両親もしくは片親がワキガの場合、遺伝によりアポクリン線は多くなる傾向に…。
衣類が清潔な状態ではないから
着替えたはずなのに「なんだかにおう…」ということはありませんか?それは、その服がにおいの原因になっているかもしれません。体を清潔にしたのに、服がにおってしまっては悲しくなってしまいますね。
洗濯をしているのに、なぜにおいが残るのか。その原因は、アポクリン線から出てくる汗。皮脂やタンパク質が豊富な汗は、服の繊維にこびりついてなかなか落ちません。
しかも、細菌は洗濯後も繁殖を続けてしまうのです。そのため、洗濯していても「なんだかにおう…」状態になってしまいます。
両親がワキガ体質だから
両親がワキガ体質の場合80%、片親がワキガの場合は50%の確率で、子どもにも遺伝。ワキガを発症すると言われています。注意しておきたいのが、発症したとしても、においがすぐに強く出るものではないということ。
においの強さは、生活習慣や食生活などでも変わってきます。日々の生活環境で、においの強さは変えられます。健康的に過ごしてにおいを軽減させましょう。
ワキ毛の手入れをしていないから
ワキ毛は、フェロモンをより遠くまで届けてくれます。ということは、ワキガのにおいを遠くまで届けてくれるということ。
ワキ毛に溜まった汗に細菌が繁殖。強くなったにおいを放出します。冬場、ワキを見せる機会が減ると手入れを怠りがちになってしまう方は、定期的に手入れをする習慣を身につけると良いですね。
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脱毛によるワキガ対策。ワキガの匂いを抑えるためにできること
ホルモンバランスが崩れているから
思春期、ワキガに悩まれた経験はありませんか?女性には、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンがあります。思春期のワキガは、第二次性徴期(小学校高学年頃)から20歳頃にかけて女性らしい体つきにするためのエストロゲンが増加することで起こります。
また、生理前や生理中、妊娠中にワキガと思ったことはありませんか?これは、排卵日から生理日までの期間と妊娠中、プロゲステロンが多くなるために起こります。妊娠中のワキガは、出産と同時に改善されることが多い傾向にあります。
生活習慣が乱れているから
睡眠不足や過度のストレスは、ホルモンバランスを崩し、皮脂の多いベタベタとした汗が分泌されます。細菌にとってうれしいベタベタ汗は繁殖のお手伝いをすることに…。
また、たばこや過度の飲酒も細菌を増やす原因になります。たばこに含まれるニコチンは体温調節機能を刺激。発汗を促します。
強制的に出された汗には、たばこのにおい成分が血液中に溶け出し、汗と一緒に排出。ワキガを悪化させます。
そして、アルコールもにおい成分が血液中に溶け出し、汗と一緒に排出。アルコールは、飲んですぐに体温を上昇させ、発汗を促します。そのため、急激ににおいが強くなります。
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体臭・加齢臭・ワキガ予防を予防。気を付けたい生活習慣とは
脂っこい料理や辛い物を食べる機会が多いから
脂っこい料理は、におい物質を生成する脂質を多く含みます。特に、動物性脂肪(乳製品、たまご、肉の脂身など)は、アポクリン線を活性化。ワキガの原因になります。
ただし、脂質は皮膚膜を作るのに必要な栄養成分でもあります。極端に摂取しないようにするというのは避けましょう。
また、辛い食べ物(唐辛子やエスニック料理など)は、汗腺を刺激。こちらは、食べる機会を減らしていけばにおいは軽減されます。
ワキガのにおいを食べ物で軽減させる
梅干しなどのアルカリ性の食材
梅干しやめかぶ、ひじき、きのこといったアルカリ性の食材には、アスパラギン酸という成分が含まれています。このアスパラギン酸という成分は、脂肪酸の不完全燃焼によって発生する脂肪臭を抑える働きがあります。また、梅干しには、強い抗菌作用があり雑菌の繁殖を抑えるうれしい効果も。
ただし、梅干しは塩分が多く含まれています。摂取する量は1日に1~2個以内にしましょう。
?ポリフェノールが含まれる飲料
ほうじ茶や緑茶に含まれるカテキンはポリフェノールの一種。このカテキンがにおい成分と結びつくと化学反応を起こし、消臭効果を発揮します。
また、緑茶には抗菌・抗酸化作用があり雑菌の繁殖を防いでくれます。その上、ビタミン類も豊富。お肌の状態を健康に保ってくれます。
クエン酸が豊富な酢
酢やレモン、梅干しに含まれるクエン酸には、アンモニアと結びつき体臭の原因となる乳酸を水と炭酸ガスに分解・排出する働きがあります。原因となる物質がなくなるので、ワキガの予防に。
特に、黒酢を1日大匙1杯飲み続けることで高い防臭効果が期待できます。
体をぽかぽかと温める生姜
生姜は、殺菌効果が高く、辛味成分には体臭を消す効果があります。また、ぽかぽかと身体を温めることで、血行を促進。運動不足などで弱くなっていた汗腺を正常化し、サラサラの汗に戻します。
生姜湯にすると手軽に毎日摂取できるので、おすすめです。
植物性のたんぱく質
大豆や豆腐、納豆、味噌などに含まれる大豆イソフラボンには、汗を抑える働きがあります。また、ムダ毛の生成を抑えてくれたり、体内の老化を防ぐ働きも…。女性には、うれしい栄養素です。
ビタミンCやEを多く含む食材
ビタミンCは、血中コレステロールを下げる働き。ビタミンEには、過酸化脂質を抑える働きがあります。どちらも抗酸化作用が高い栄養素で、においを軽減します。
ビタミンCやEを多く含む食材には、ナス・シソ・モロヘイヤなどがあります。
バランスの良い和食
一汁三菜を意識したバランスの良い和食は、体臭を軽減させます。「まごわやさしい」という言葉を聞いたことはありませんか?
「ま」豆(大豆や豆腐など)、「ご」ごま、「わ」わかめ(ひじきやもずくなどの海藻類)、「や」野菜、「さ」魚、「し」しいたけ(えのきやしめじなどのきのこ類)、「い」いも(ジャガイモやカボチャなどのイモ類)を意味します。
魚や野菜、イモ類などをバランスよく摂り入れた和食は、低カロリー・低脂肪でダイエットにも最適です。
ワキガのにおいを強くしてしまう避けるべき食べ物
牛肉などの赤身のお肉
赤身のお肉には、含硫アミノ酸が多く含まれています。そのため、お腹の中で消化しきれないことも…。消化しきれずに残ってしまった残留物が分解され、発生したガスが血液中に溶け込み悪臭を放ちます。
また、動物性タンパク質は、消化のときに体温を上昇させアポクリン線を刺激。刺激を受けたアポクリン線は発汗を促すため、ワキガを悪化させます。
ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜
ブロッコリーやキャベツ、カリフラワーなどのアブラナ科の野菜は、消化のときに硫黄のようなガスを発生させます。このガスが体臭の原因になります。
美肌効果やコレステロールを減らしてくれるアブラナ科の野菜。摂取しないのはもったいないですね。ガスの発生を抑えるには、湯通しなど火を通せば大丈夫です。
ニンニクなどのにおいの強い野菜
ニンニクやネギ、玉ねぎなどのユリ科の野菜には、強い抗酸化作用や殺菌作用、食中毒の予防など大事な栄養素が多く含まれています。体にうれしい栄養が多いユリ科の野菜。摂取を心がけたいものですが…。
ユリ科の野菜は、素材の強いにおいからも予測できる通り、体臭を強くします。消化時に硫黄含有ガスを発生、体から強い硫黄臭を放出します。摂取するのは、少量にしましょう。
トウガラシなどのスパイス
エスニック料理や激辛料理などのスパイスは、アポクリン線を刺激し発汗作用を促します。そのため、スパイスたっぷりのカレーや唐辛子を使った料理などは、動物性タンパク質や脂質と一緒に摂取すると大量の汗と一緒ににおいを撒き散らすことになります。
トウガラシは代謝を上げる働きもあります。毎日ではなく、たまに少量摂取すると良いでしょう。
牛乳やチーズの乳製品
乳製品は、脂質を多く含む動物性タンパク質です。そのため、多量に摂取すると消化に時間がかかります。
おなかの中に溜まった乳製品は、消化時に硫化水素とメチルメルカプタンというガスを発生させます。このガスは「腐ったたまごのようなにおい」「たまねぎのようなにおい」と言われ、刺激をうけたアポクリン線から一緒に排出。体臭となるのです。
?ジャンクフードやスナック菓子
手軽に食欲を満たせるジャンクフードやスナック菓子。これらには、脂質・糖質が多量に含まれています。そして、食品添加物も多量に含まれているため、腸内細菌の働きに悪影響を及ぼすこともあります。
腸内細菌の働きが悪くなると、消化吸収がうまく出来なくなりガスが発生しやすい状態に…。その結果、ワキガを悪化させます。また、脂質・糖質がとても多いので、肥満や隠れ肥満になるおそれもあります。
食べ物だけでなく食べ方も改善しましょう
辛い物やにおいの強い物を好んで食べないようにする
好きだからといって、辛い物やにおいの強い物を毎日摂取していてはにおいは改善されません。肉やにんにく、トウガラシなどを多量に摂取できる焼肉は、消化に悪いだけでなく、においも強くしてしまいます。
焼肉やエスニック料理、カレーなどの辛い物やにおいの強い物は、特別な日を設けるなどして食べる回数を減らしましょう。
ジャンクフードは避けてなるべく自炊生活にチェンジ
ファーストフードは、栄養バランスが悪く栄養不足になるおそれがあります。また、脂肪分が豊富に含まれているため、体臭の悪化だけではなく肥満に悩まされることも…。塩分量も多く高血圧や糖尿病など生活習慣病の原因にもなります。
手軽で便利なジャンクフードですが、体にたくさんの悪影響を及ぼします。できるだけ、バランスの良い食事を摂れるようにするため、自炊生活に変えていきましょう。
質の悪い油に気をつける
マーガリンやマヨネーズといった自然の原料を使っていない化学油や酸化した油は、体臭の原因に。油も動物性ではなく、植物性のごま油やオリーブオイル、特にエクストラバージンオイルを使うようにすると体臭を軽減できます。
注意しておきたいのが、ごま油です。ごま油には血中コレステロールや中性脂肪を増やしてしまうリノール酸と血液をサラサラにするα―リノレン酸が多く含まれています。使うときは少量にしましょう。
ダイエットにも効果的。腹八分目を心がける
お腹いっぱいに食べすぎてしまうと、内臓に負担がかかります。そのため、消化や吸収に時間がかかり、体内に残った栄養分が分解されガスが発生。このガスが血液に溶け込みワキから排出されます。
よく噛んで、ゆっくり食べることで、体臭の軽減だけでなくダイエットにも効果的です。食事は、腹八分目を心がけるようにしましょう。
夜遅い時間と午前中の時間帯は消化時間にする
夜遅い時間も内臓は消化・排泄するため動いています。内臓の働きが悪くなると老廃物が溜まり、においの原因に…。特に肝臓・すい臓・腎臓はゆっくりと休ませてメンテナンスしてあげましょう。
体は朝10時頃まで老廃物排泄を行っています。朝食はできるだけ、ヨーグルトや野菜ジュースなど内臓に負担のかからないものにするとよいでしょう。
塩分や糖分の摂りすぎに気をつける
塩分や糖分を摂りすぎると、高血圧や血の巡りが悪くなります。血の巡りが悪くなると新陳代謝が低下。老廃物が溜まり、においの原因にもなります。
糖分の摂りすぎは皮下脂肪や内臓脂肪など、肥満にも繋がります。控えるようにしましょう。
普段の生活を少し変えることでワキガ対策はできます
シャワーだけで済まさずに湯船につかること
手軽にシャワーだけで済ませていては、汚れは落としきれません。ゆっくりと湯船につかることで新陳代謝がアップ。汗をかくことにより老廃物が排出されていきます。
半身浴がオススメ
38度~40度くらいのお湯をおへそのあたりまで入れます。つかる時間は20分~30分ほどがよいでしょう。汗と一緒に老廃物も流れ出てくれるので、体臭も疲れもとれてスッキリします。
お酢を入れて防臭効果
お風呂にお酢を50ccほど入れて、よくかき混ぜてから入浴しましょう。クエン酸の効果で、お肌を弱酸性に保ち、雑菌の繁殖を防いでくれます。
重曹を入れて防臭効果
お風呂に大さじ1杯の重曹を入れて、よくかき混ぜてから入浴します。
重曹は、アルカリ性なので余分な皮脂や角質を柔らかくして落としやすくします。さらさらの粒子にはスクラブ効果があり、やさしくなでるだけで汚れを除去。酸性の酸っぱいにおいを中和する作用も。
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【ワキガ臭を重曹で消臭】使い方をマスターして快適で爽快な生活に
仕上げにミョウバンスプレー
ミョウバンには、水に溶けると酸性になる性質があります。そのため、雑菌の繁殖を防ぎます。
そして、収れん作用により、毛穴を引き締め汗が出るのを抑制。また、重曹を入れたお風呂の後は、重曹の成分で弱アルカリ性になった肌を弱酸性に戻してくれる効果もあります。
ミョウバンスプレーは、水15に対してミョウバン1の割合で作ります。かぶれる場合もあります。パッチテストをしてから使用してください。
ワキ毛は抜かずに剃るようにすること
ワキ毛を抜くと、アポクリン線が刺激され活発に汗を出すようになってしまいます。ワキ毛は、清潔にした状態で新品のカミソリで処理しましょう。
医療機関で脱毛
カミソリで処理していると面倒だったり、肌を傷付けてしまうこともあります。時間や金銭面に余裕がある方は医療機関での脱毛がおすすめです。
制汗剤を正しく使うこと
制汗剤は、汗を抑えるために使用するもの。汗をかいてしまってからでは効果がありません。ウェットシートなどで汗をしっかりと拭いてから使用します。また、夜、寝る前につけると効果が発揮されます。
制汗剤は、かぶれや色素沈着が起こることがあります。使わない日をつくるなどして、適度な使用を心がけましょう。
服がワキ汗で汚れたら漂白剤をつけて洗う
服についてしまったワキガの汗は、通常の洗濯ではなかなか落としきれません。酸素系漂白剤を使ってつけ置き洗いをすることで黄ばみ、においの原因を落としましょう。
洗い方
1.38度~40度のぬるま湯に洗濯用の洗剤を溶かします。
2.ワキやエリなど気になる部分に酸素系漂白剤を塗ります。
3.服を漂白剤に記載されている表示時間よりも10分~20分ほど長くつけ込みます。
4.いつも通りに洗濯します。
ドライ表示の場合
1.38度~40度のぬるま湯にドライ表示専用の洗剤と酸素系漂白剤を溶かします。
2.ワキやエリなど気になる部分に酸素系漂白剤を塗った服を5分ほどおきます。
3.漂白剤のつけ込み表示時間、つけ込みます。
4.洗濯は、洗い5分~10分・すすぎ1~2回・脱水は短めにします。
注意
・洗剤の分量は、記載されている量を守ってください。
・漂白剤は色落ちすることがあります。必ず、色落ちするか確認をしてから使用してください。
・長時間のつけ置きは衣類を傷めてしまうこともあります。
たばこはできればやめて、お酒もほどほどにする
たばこに含まれるニコチンやアルコールは、発汗を促します。血液中に溶け出したにおい物質を一気に放出。吸い過ぎや飲み過ぎ、おつまみの食べ過ぎは内臓への負担も増加します。
ビタミンCを大量に消費するたばことお酒。お酒はストレス発散にもなるので、適量で楽しみましょう。そして、悪影響の多いたばこは、思いきって禁煙してみましょう。
ストレスを溜め込まないように気をつけること
ストレスを溜め込んでいると、汗の量を調節している自律神経のバランスが崩れ、アドレナリンや男性ホルモンが増加。アポクリン線からの汗を増やします。また、強いストレスにより肝臓や腎臓の機能が低下し、汗にアンモニア臭が混ざります。
適度な運動やゆっくりとお風呂に入るなど、ストレス発散をしましょう。ストレスが発散されれば、ホルモンバランスも戻り、汗の量も落ちつきます。
ぽっちゃり気味な方はダイエットをする
ぽっちゃり気味な方は標準の方と比べると、汗をかきやすい傾向にあります。アポクリン線の量は同じなのですが、皮下脂肪が多いためなかなか体温を下げることができません。そのため、体温が上昇しやすく汗が多くなるので、標準体型の方よりも体臭が強くなります。
また、運動不足でドロドロとした血流ですと老廃物が溜まりやすく、ワキガを悪化させます。食生活の改善と運動を取り入れてダイエットにチャレンジしてみましょう。
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ワキガのにおいを軽減させるためには和食がおススメ
ワキガについて、さまざまな原因やにおいを軽減させる方法について紹介してきました。肉や乳製品を中心とした欧米化の食事により、体臭が悪化してしまいます。ストレスにならない程度に体臭の原因となる食べ物を減らしていき、和食を率先して摂るように心がけましょう。