【薬剤師・北岡千明の美容成分講座】エタノール

2017.07.19

【薬剤師・北岡千明の美容成分講座】エタノール

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NADECICA編集部
NADECICA編集部

毎日使っているスキンケア商品や化粧品。しかし、裏の成分を読んでもそれらがどんな作用があるか、理解している方は少ないのではないでしょうか。そのような「難しい」美容成分について、NADECICAモデルで薬剤師としても活躍中のchiaki♡さんにご説明していただきます。

INDEX

目次

    エタノールとは?

    エタノールは、デンプンや糖蜜などをアルコール発酵させたり、エチレンから化学合成して作られたもので、別名を、「エチルアルコール(ethyl alcohol)」「エチルハイドレート」「酒精」と呼ばれることがあり、第一級アルコールに分類されるアルコール類の1種です。

    基本的に揮発性で、殺菌消毒作用があるので消毒用で使われることが多く、主に殺菌・消毒・食品添加物・燃料などに用いられます。

    無水エタノールと消毒用エタノール

    ドラッグストアなどで「無水エタノール」「消毒用エタノール」として売られているので簡単に購入することができますが、主成分は同じ「無水エタノール」と「消毒用エタノール」の違いは濃度や用途にあります。

    無水エタノール

    水分を0.05%以下しか含んでいない、アルコール濃度が高いエタノールです。化粧水・虫よけスプレーなどの原材料の一部として使われることがあります。また、無水エタノールは、油汚れに強く、すぐに揮発するのが特徴なので、殺菌する前に蒸発してしまうため消毒用としての使用は不向きだと言われています。

    無水エタノールはエタノール濃度が高いため、刺激性が強いので注意しましょう。

    消毒用エタノール

    無水エタノールを精製水で濃度80%程度に薄めたもので、手指や皮膚の消毒・医療機関での機器消毒・掃除などに幅広い用途で使用されている消毒液です。

    無水エタノールと消毒用エタノールの濃度

    無水エタノール:99.5%以上
    エタノール:95%前後
    消毒用エタノール:80%前後

    水分を含まない無水エタノールは水分を含んで初めて、殺菌効果を発揮することができます。

    適度に水で薄めることで消毒用エタノールとして使用することができるので、手作りすることもできるのですが、売っているもののほうが安くつくことが多いため、殺菌効果も余り違いがないことから「消毒用エタノール」を購入したほうがよいでしょう。

    エタノールのメリット・デメリット

    エタノールのメリット

    水にも油にも溶ける性質を持っているので、体や身の回りのもの、手作り化粧容器や消臭スプレーを作るときなど殺菌消毒作用として使うことができます。(スプレー容器などに入れると使い勝手がよいのですが、プラスチックを溶かしてしまうことがあるため、アルコール耐性のものを選びましょう)
    カビ予防や消臭効果があるので冷蔵庫の中・水回り・お風呂場などの衛生面が気になる場所などの掃除に最適です。(ただし、コンロなどで使う際には火気厳禁ですので気をつけて使用してください)

    ・揮発性であるため水が使えない電化製品やコンセント周りの掃除にも使えます。だだし、引火性があるため、電化製品の近くで使う際は気をつけましょう
    ・エッセンシャルオイルなどを水に溶かす溶媒としても使用できますが、濃度や量によって溶けないことも。
    ・エタノールの使用で病原菌・ウイルス(インフルエンザなど)を不活性化できるものは、消毒として使用できます。

     

    エタノールのデメリット

    ・衣類などの汚れ落としには向いていない。
    ・無水エタノールのみでは殺菌作用はありません。
    ・エタノールでは不活性化させることができない病原菌・ウイルス(ロタウイルスなど)などには効きません。

    エタノールの注意点

    ・使用や保管する際には、引火性があるため火気に近づけないようにしましょう。
    ・揮発性のため密栓して冷暗所に保管しましょう。
    ・使用するときには、目やその他粘膜に触れないように注意しながら、換気するようにしてください。
    ・消毒などで手肌に使用する場合は、汚れを綺麗に洗い落としてから使うようにし、脱水作用で肌が荒れてしまうこともあるので頻繁に使うのは避けましょう。

    以下の材質には使用禁止

    シミや変色、変形の原因になるため使用する前などは、必ず目立たない場所などに試し拭きしてから使用するようにしてください。

    ・プラスチック製品:アルコール耐性でないものは溶けてしまう恐れがあります。
    ・スチロール製品:白く濁ってしまうことがあります。
    ・ニス塗装の製品:ニスが溶けてしまうことがあります。
    ・皮製品:光沢がなくなってしまうことがあります。

    また、白木・桐・ニス・ラッカー塗装品などの家具や床には使用しないようにしましょう。

     

    薬剤師・北岡千明のワンポイントアドバイス

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